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アッシャー・フィシュ指揮/アデレード交響楽団
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」全曲


録音:Adelaide Fesival Theater
2004年11月16日~12月12日
輸入盤、Melba Recordings

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4枚組。ケースは厚紙の表紙をもつ本タイプ。ディスクは最後に袋になっている所に収められている。

輸入盤ゆえ日本語解説はなし。初めての人は〈指輪〉全体の込み入った物語、また歌詞も知ったほうがいいから、日本語の解説本をどこかで買ってきたほうが良いですね。

SACDマルチチャンネルでは、毛穴で聴くワーグナー

 ワーグナーの楽劇〈ニーベルンゲンの指輪〉から第1夜「ワルキューレ」がSACDで発売されたので買ってみました。
 会場はオーストラリア。ヨーロッパでもアメリカでもないところが「どうかな?」と思いましたが、杞憂でした。ワーグナーの楽劇の醍醐味を思う存分味わえるSACDだと思います。

 「ワルキューレ」は序夜「ラインの黄金」に続く部分だが、音楽的には直線的だった「ラインの黄金」とかなり違う。この巨匠が、ここにきて、すごい管弦楽法を会得したみたいだ。
 官能的な部分多し。また映画「地獄の黙示録」で使われた、誰もが知っているメロディーもこの「ワルキューレ」のものだ。この楽劇が〈指輪〉のなかでも、もっとも親しみやすく人気があるのもうなずけるというもの。

 その究極のワーグナーのオーケストラが、マルチチャンネルのサラウンドで聴くと、特にすばらしいです。
 ホールの臨場感が感じられる。ライヴ録音とあって、ステージ上の歌手達の動きもリアルに伝わります。
 特筆すべきはオーケストラ音で、あるときは荒波のようにうねり、あるときは霧のように忍び寄るワーグナーの管弦楽が、迫力満点で再生されます。ワーグナーの管弦楽が「こんなに、のたうちまわるとは!」とビックリ。いつも書くように、これは“体感”ですね。
 CDが〈耳で聴くワーグナー〉なら、SACDマルチは〈毛穴で聴くワーグナー〉。ワグネリアンでなくともこのSACDはオススメであります。
 僕もバイロイトに行って、生で聴いてみたくなりました。あ、オーストラリアじゃなくて、ごめん(笑)。

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2006.8.17