Cannonball Adderley
Somethin' Else
Amazon
※Amazonの商品画像のジャケット写真は左上に[STEREO]マークがついていますが、購入したSACDにはついていませんでした(下写真参照)。
録音1958年
輸入盤
Analogue Productions
SACDマスタリングはケヴィン・グレイとスティーヴ・ホフマン。
収録曲
Autumn Leaves(枯葉)
Love For Sale
Somethin' Else
One For Daddy-O
Dancing In The Dark
Alison's Uncle (Bangoon)
パッケージ
角の丸いプラケースにブックレット。ブックレットにはオリジナルLPのライナーがそのまま。あとボーナストラック「Alison's Uncle」についての数行の新しいライナー。
ボーナストラック
SACDにはボーナストラックとして未発表曲「Alison's Uncle」が収録。
これは80年代に発見された曲で、当初はキャノンボールの弟ナット・アダレイ作曲と考えられておりました。
タイトルのAlisonはナット・アダレイの娘、つまりキャノンボールの姪のこと。なので「Alison's Uncle」とはキャノンボールのことになります。
しかし実は、この曲はピアノのハンク・ジョーンズの作曲で本当は「Bangoon」という曲だとか。でもこの逸話が面白いのでしょう。クレジットでは「Alison's Uncle」とそのままで「別名 Bangoon」という扱いです。
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マイルスのミュートが光る「枯葉」
本作は不滅の名盤『サムシン・エルス』のSACDハイブリッド。Analogue ProductionsからSACD化されました。
アルト・サックス奏者のキャノンボール・アダレイ名義ですが、実際はマイルス・デイビスがリーダーで吹き込まれたアルバムであることは承知のとおり。
なかでも「Autumn Leaves(枯葉)」は人気曲で、マイルスのミュート・プレイが光ります。ジャズの玄人は言うまでもなく、ジャズ初心者の方が聴いてもシビれる演奏です。
アナログLPでは同じA面の「ラブ・フォー・セール」でも、マイルスはミュート・トランペットを吹いて聴かせてくれます。
ディスクはブルーノートのレーベルを模したもの。
キャノンボール・アダレイの陽気なサックスもいい
このアルバム、マイルスの名刺代わりとも言える好演が聴けるわけですが、名義を与えられたキャノンボール・アダレイも、マイルスに負けず魅力的な演奏です。
キャノンボールのアルト・サックスは「入り」から最高なんですよね。少々口が悪いですが「陽気なヒステリー状態」で仕掛けてきます。マイルスがミュートでシブくまとめた後だけに、この「入り」はゾクっときます。その後のプレイもはち切れんばかりの「うねり」です。
レコードB面にあたる2曲はマイルスもミュートをはずして、キャノンボールの陽気さに対抗して吹きまくっています。
ラストの「ダンシン・イン・ザ・ダーク」はキャノンボールだけの演奏。アルバムが終わる雰囲気を演出し、リスナーも「いいアルバムを聴いたな」と曲途中なのに満足感にドップリ。
いつ聴いても、何度聴いても飽きないアルバム。それが『サムシン・エルス』です。
つや消しの中低域に光沢感のある高域
SACDハイブリッドの音は、つや消しのようなシブい中低域に、適度な光沢感がある高音域という音だと思います。
ためしに、以前から聴いていたClassic RecordsのLPと聴き較べてみると、ベースの音はSACDのほうが、筋肉質でブルンブルンとしています。
LPのほうが、柔らかいというか、輪郭がぼんやりしています。ドラムの音も、SACDのほうがクリアで、実体がある感じがしました。
SACDはLPと違うミックス。左右からガッチリかためた2ch
Analogue ProductionsのSACDと今では手に入らないClassic RecordsのLP
面白いのはSACDとClassic RecordsのLPでは、ミックスの位置が違うことです。
SACDでは、左にトランペットとサックス、中央にピアノ、右にドラムとベース。
Classic RecordsのLPでは、左にトランペットとサックスとピアノ、中央にドラム、右にベース(やや中央より)。
SACDはベースとドラムがクッキリとしていますので、左右から内側へと、ガッチリと固めたステレオサウンドとなります。
▶Somethin Else (Hybr)
2014.8.11
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