(MONO)
国内盤、ヴァーヴ
録音1952年
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普通のプラケース。
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ゲッツのこの世のものとは思えないフレーズ
スタン・ゲッツ(ts)が1952年に録音した『スタン・ゲッツ・プレイズ』を聴きました。オノ・セイゲン氏によるDSDリマスタリングです。
スタン・ゲッツというと『ゲッツ/ジルベルト』という名盤もSACD化されておりますが、『スタン・ゲッツ・プレイズ』も負けず劣らず名盤だと思います。
スタン・ゲッツのテナー・サックスは、コルトレーンやロリンズのように「吹きまくる」というのではなく、「ショボショボ吹く」みたいに思えてしまうのですが、これが『スタン・ゲッツ・プレイズ』では、かなりカッコいい!と思ってしまいました。
そのゲッツの吹き方を、「クール」とか「ウォーム」の両方でよく書いてありますが、とにかく、アドリブ・プレイがすごいのではないか。
最初聴いた時、「ロリンズの歌心と、コルトレーンのシーツ・オブ・サウンドが合体した感じかな…」と感想を書こうと思ったのですが、ずっと聴いていると、「いやいや、それもちがうな」と思いました。
ゲッツの場合、インプロヴィゼーションからうけるイメージが、ちょっと“神がかり的”なんですよね。
フレーズがこの世のものとも思えない瞬間がある。どこか違う世界から来たようなフレーズに惹きつけられてしまいます。
こんなのマイルスにも、クリフォード・ブラウンにもなかった。何かしながら、このSACDをかけていても、思わず耳をうばわれてしまいます。
ゲッツはかなり麻薬で苦しんでいたみたいですが、やはり天才サックス・プレーヤーだけありますね。このアルバムはいいです。
音はモノラルです。ヒスノイズもありますが、それをあえて残して、「音そのものをそこなわないようにマスタリングした」とオノ・セイゲン氏は、ライナーに書いております。ジャケット写真もいいですね。レーベル復刻のピクチャーディスクです。
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スタン・ゲッツのSACD
2008.10.16
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