Jacques Loussier Trio
The Best of Play Bach
Telarc
録音 1993&94年 フランス
Amazon(国内盤) Amazon(輸入盤)
ブックレットには、ジャック・ルーシェが、当時を語るライナー(英語と仏語)。60年代のトリオなど、当時の小さい白黒写真が少々。
国内盤は帯と一体になった解説書を同封。小川隆夫氏によるジャック・ルーシェのライナー翻訳と解説。
収録曲
1. 平均律クラヴィーア曲集第1巻~前奏曲第1番ハ長調
2. イタリア協奏曲~アレグロ
3. イタリア協奏曲~アンダンテ
4. イタリア協奏曲~プレスト
5. G線上のアリア
6. トッカータとフーガ ニ短調
7. パストラーレ ハ短調
8. 主よ,人の望みの喜びよ
9. ガヴォット ロ短調
10. 平均律クラヴィーア曲集第1巻~フーガ第5番ニ長調
11. ガヴォット ニ長調
メンバー
ジャック・ルーシェ(p)
ヴァンサン・シャルボニエ(b)
アンドレ・アルビノ(ds)
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クラシックのジャズ・アレンジの先駆者、ジャック・ルーシェのTelarcベスト盤
本作はピアノ・トリオで、バッハをジャズ風に演奏したSACDです。
ピアニストはジャック・ルーシェ。
そもそもは1959年、スタジオでバッハをジャズ風に演奏したことから始まりました。デッカから発売された『プレイ・バッハ』は、センセーショナルを巻き起こし、初回プレス6,000枚が2週間で売り切れたとか。
ジャック・ルーシェは、1960年代以降も、バッハ以外のクラシックの作曲家を録音し、コンサートで演奏してきました(ドラムとベースの顔ぶれはいろいろ替わっているよう)。
このSACDは、93年と94年にTelarcに録音されたバッハの演奏(再録音ということか)から選ばれた、《ジャック・ルーシェ生誕70周年》を記念するベスト盤です。
ジャズの即興演奏と、バッハの調和
初めて聴いたのですが、思ったよりもジャズ風でした。バッハをテーマに取り入れただけの、“イージー・リスニング・ジャズ”とは違います。
ビル・エヴァンス・トリオが、有名ミュージカル曲を、自分たちの音楽に昇華させたように、ジャック・ルーシュも、ピアノ・トリオという音楽に、バッハをうまく取り入れています。
どこかビル・エヴァンス・トリオの面影も感じるところが、好みにあいました。
もちろん、「バッハを楽しんでもらおうという」という、エンタテイメント性もみうけられ、ジャズの即興演奏と、バッハのメロディの親しみやすさがうまく調和しているように思いました。
SACDの音
ベスト盤をSACDでリリースするにあたり、新しいステレオ・ミックスとサラウンドが制作されました。
SACD2chステレオは、SACDらしい、やわらかい音が広がります。
ベースは太く、芯のある音でした。
マルチチャンネルは、サラウンド空間を出すタイプではなく、2chと同じ音像を、引き立たせるタイプです。
音はより、つややかになります。ピアノの音はみずみずしくなり、ドラムスのシンバル系はより金属ぽい音になりました。
各楽器は、倍音が溶け合うようになりました(たとえばピアノのペダル音のにごり)。
リスニング・ルームが、「生楽器を演奏するのにバッチリの、いい響きの部屋」になったような、そんなマルチチャンネルです。
Amazon(国内盤)
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2011.8.9
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