BUSTER WILLIAM
GRIOT LIBERTE
録音2004年。
Van Gelder Recording Studio
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バスター・ウイリアムスはベース、ピッコロ・ベースを弾く。ほかにビブラフォン/マリンバ、ピアノ、ドラムスという編成。
この演奏、僕はかなり好きです。特にヴィヴラヴォンの響きが先鋭的でいい。ムード的にはハンコックの『処女航海』のようなカッコよさも所々あり。
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ルディ・ヴァン・ゲルダー録音によるSACD
このSACDは、『SACDジャーナル』連載の〈特捜野郎Sチーム〉で取材した、ソニーのSCD-DR1を設計した方が、取材中にオススメディスクとして教えてくれたものです。
聴いてみると、たしかにすごい音。すごくキレイでありながら、生々しい実体感もある。相反するものを両方そなえてる、って感じだ。
それもそのはずで、このSACDは、ステレオ・ミックス、5.0chサラウンドとも、ブルーノートやCTIなど、今日までジャズ・レコードの歴史を作ってきた、あのルディ・ヴァン・ゲルダーによるものなのだ。
これだけでも、期待しちゃうよね。
ルディ・ヴァン・ゲルダーは、たまたま今月号の〈スイング・ジャーナル〉にインタビューが載っている。
そこでSACDのことを、すこし喋っていたけど、基本的には興味があるようだ。サラウンドも好きらしい。
このSACDのクレジットにも、わざわざ
「このディスクのベストは、5本のフルレンジ・スピーカーによる5.0chサラウンドで得られる」
と明記してある。かなりのこだわりとみた。
インタビューによると、ゲルダーは、SACDをホームシアター・システムの小型スピーカー+サブ・ウーファーで再生されるのが好きでないらしく(それはわかる)、あくまでフルレンジ・スピーカー5本で聴いてくれ、ということらしい。
ルディ・ヴァン・ゲルダーの21世紀の音を聴きましょう
さて、僕も聴いてみたけど、SACDステレオでもかなりいいと思うんですけどね。
5.0chになると、もっと浮遊感というか、音が前にでてくる。
といっても、ゲルダーは、「サラウンドでござい」ということはしない。あくまで〈楽器自体の再生音を生々しくリスニングルームに再現したい〉というために5.0chを使ったような気がしますね。ストイックに感じられた。
と書いておきながら、ビブラフォンとか、かなり大胆に左から右に定位するんだよねえ。ちょっとハデな味付けにも感じられた。
「ううむ、ゲルダーの作ろうとしたサラウンド、というか“音”とはいったい?」といろいろ考えて興味ぶかい。
まあ、ステレオ、サラウンドとも、このSACDでゲルダーの21世紀のジャズサウンドを味わえるだけでも幸せではありませんか。
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2006.8.24
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