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SACDhybrid プリズム  プリズム


PRISM
PRISM
Hybrid Stereo/Multi-ch
国内盤、ユニバーサル
紙ジャケット仕様

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CD層とSACD2chのみ、ボーナストラックとして「Out of Blue」と別テイク2曲収録。

オリジナル・アナログ盤についていた、ペラのライナー復刻が、4つ折りでつく。

アナログ・シングル盤「Love Me」のカバーを表紙にした3つ折ライナーには、和田アキラのインタビュー「和田アキラ『プリズム』を語る」。プロデューサー小澤氏のライナー、SACDへの「制作後記」。

ピクチャー・レーベルは、ポリドールのアナログ・レーベル・デザイン。

日本フュージョンのさきがけ、プリズムのSACD化

 本作は日本初のフュージョン・バンド、ブリズムのファースト・アルバム。発売は1977年。発売日の午前中、わずか1時間で初回プレス8000枚が売り切れたという名盤です。
 SACD化されるにあたり、当時のマルチ・テープがキチンと保存されていたことから、5.1chも制作されました。プリズムのSACDハイブリッド盤でマルチ収録は本作だけです。

ソフトでもハードでも、どちらも引込むクオリティ

 オリジナルLPはA面が〈ソフトサイド〉、B面が〈ハードサイド〉と銘打たれました。
 〈ソフトサイド〉は、ジャズというよりも“インスト・ロック”という感じ。冒頭「Morning Light」から、ノリのいいさわやかさ。和田アキラのギターが歌います。
 〈ソフトサイド〉の4曲は、カーステレオで聴いたら最高のノリ。フェンダー・ローズのソロも最高です。

 SACDですから、続けて〈ハードサイド〉へ流れます。
 ここからは一転して、文句なしに“フュージョン・ジャズ”のノリ。アル・ディメオラの在籍していたリターン・トゥー・フォーエヴァーのような、エレクトリック・ジャズ。「Tornado」ではツイン・ギターで盛り上がる。
 ハードな演奏のなかに、ときおりサンタナや高中正義のような、ポップ性もそなえていて、フュージョンとして完成度の高い、そして楽しめる演奏です。

SACD2chとマルチチャンネル

 まずはSACD2ch。
 アナログ度満点の「分厚く、太い音」に驚きました。
 SACDで聴くには、もってこいの音です。ドラムスとベースの、ズッシリとした低音域が、リスナーを掴んで離しません。

 マルチチャンネルでは、サイド・ギターやパーカッション、シンセ音などがリアに回ります。マルチにしては、このリア音はおとなしめかもしれません。
 それでも「サラウンドとして、まとまってる」と思うのは、フロントのリズム隊とギターが、ガッシリと全体を捕まえているからでしょう。
 サブ・ウーファーにも低域が薄くあてがわれています。
 演奏よし、音よしの、エヴァー・グリーンな一枚。

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プリズムのほかのSACD
B00008YLS8 PRESENT Vol.1
プリズム結成25周年記念特別企画第1弾のセルフ・カヴァー集。プリズムらしいスケール感と透明感を保ちつつ、みずみずしいコンテンポラリー・サウンドに再生。 2003年発売。
B00009VHBG PRESENT II
リメイク・ベスト第2弾。プログレッシヴ・ロックの要素も用い、スケールの大きいダイナミックなサウンドで、ドラマティックにサウンドスケープを展開。2003年発売
B0000BHKVN mju:
2003年に結成25周年を迎えたプリズムの、当時最新オリジナル・アルバム。メロディアスなナンバーからハードなものまで、幅広い内容のバラエティに富んだ1枚 。
B00008DYXH LIVE(紙ジャケット仕様)
78年のコンサートを収録した2枚組ライヴ。現在も第一線で活躍するプレイヤーたちの、クリエイティヴィティに対する、眩いばかりのチャレンジ&ハングリー精神に圧倒される。
B00008DYXF SECOND THOUGHTS/SECOND MOVE(紙)
78年録音のセカンド・アルバム。ボーナス・トラックは伝説の名古屋公演のライヴなど。
B00008DYXG PRISM III(紙)
79年発表のサード。森園勝敏がバンドを抜けたため、和田アキラとのツイン・ギターは聴けなくなったが、バンドとしてはさらにさまざまな要素を取り込み、ポップ路線を突っ走っていた時代の作品。
2011.9.2