安全地帯 -40th ANNIVERSARY BEST-
文・杉田ヨシオ 2022年9月23日
安全地帯に今人気の“45回転LPレコード”登場
ステレオサウンド(Stereo Sound)は安全地帯のベスト盤『安全地帯 -40th ANNIVERSARY BEST-』を45回転LPレコードでリリースした。
現在のアナログ・オーディオ・ファイルにとって45回転LPレコードは最も気になるレコードであり、人気のアイテムだろう。
実際、筆者も知人のオーディオ・ファイルから45回転LPレコードの音質の良さをよく聞く。人によっては“オープンリールのツートラ・サンパチよりもいい音”と言う人さえいた。ちょっと驚いたが、それくらいハイファイだと、たとえたかったのだろう。
45回転LPレコードはオーディオ・ファイル向けに以前からあったのだが、ここ数年に特に人気が出てきたように思う。洋楽やジャズの名盤が結構リリースされている。
そんな中、ステレオサウンドが安全地帯の45回転LPレコードを制作した。日本のポップス(邦楽)の45回転レコードは珍しいのではないか。ステレオサウンドの仕事に拍手したい。
45回転に片面には3曲づつカッティングされている。見た目にもいい。
45回転ならでは、鮮度があり伸びやかな音
ステレオサウンドはこれ以前に33 1/3回転で安全地帯のアナログレコードを制作しているが、この45回転盤は新たにマスタリング(それも45回転を見越したマスタリング)をしての制作である。
マスタリングは日本コロムビアの武沢茂氏。2枚組のレコードで各面は3曲づつのカッティング。
針を落としてみると、やはり音の鮮度に驚かされる。みずみずしい。
音の間口も広い印象だ。水道に例えたら、大きな蛇口からたっぷりと放出される感じ。音のでかたもスムーズに思え、スピーカーから耳元まで届くのがはやい印象を抱く。
音の艶(つや)も45回転は一味違うのではないか。比較したわけではないが、33 1/3回転が艶消しの音に思えるほどに、45回転は音に輝きを帯びる気がした。
安全地帯、とりわけ玉置浩二のヴォーカルを堪能できるレコードだ。
片面3曲づつをじっくりと聴く。
レコード盤の内周における音のひずみの心配も、このレコードには縁がない。最初から最後まで外周を聴いているような錯覚である。高音質でアナログ・サウンドに浸れる喜びは大きい。とっておきのレコードになるだろう。ジャケット見開きの若き安全地帯のメンバーの写真もいい。
Disc1
Side A
- ワインレッドの心
- 恋の予感
- あなたに
Side B
- 夏の終わりのハーモニー
- 碧い瞳のエリス
- Friend
Disc2
Side A
- To me
- 夢のつづき
- 悲しみにさようなら
Side B
- 月に濡れたふたり
- Juliet
- ほゝえみ