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DENON
オーディオ・チェックSACD

Hybrid Stereo/Multi-ch
国内盤、コロムビアミュージックエンタテイメント

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右にも書いたとおり、2ch(SACDとCD)とマルチチャンネルでは、収録メニューが、それに応じてちがうものが入っている。

普通のプラケース。

ブックレットには、2ch(SACDとCD)とマルチチャンネルそれぞれ、各チェックの解説がつく。

民生初、2chとマルチチャンネルをチェックできるSACD

 これは2ch(SACDとCD)とマルチチャンネルで、オーディオチェックができるディスクです。いろいろなチェックメニューが入っていますが、そのなかの一部を紹介します。同じメニューでも、2chとマルチチャンネルで、内容が違うのも特徴です。

 チャンネル・チェック1セクションは、スピーカーの接続を基本的にチェックするもの。
 2ch(SACDとCD)では、「Left channnel…」というように英語のアナウンスが流れる。
 マルチチャンネルでは、バッハの平均率クラヴィーア曲集第1巻第1曲がチェンバロで流れる。数小節づつスピーカーを移動していく。楽器の音色でスピーカーをチェックできるところがミソ。サブ・ウーファーもテストできる。

 位相チェックセクションこれもスピーカーの接続チェックに使用。
 2ch(SACDとCD)では、前記英語のアナウンスで、左右同相、逆相をチェック。
 マルチチャンネルでは、前記チェンバロ演奏で、5本のスピーカーのうち2本づつ組で再生される。“左スピーカーと右スピーカー”“左スピーカーとセンタースピーカー”“センタースピーカーと右スピーカー”“右スピーカーと右リアスピーカー”“右リアスピーカーと左リアスピーカー”……という具合。各々その中央に音が定位するかチェックできるわけだ。最後に全スピーカーから音がでる。
 一般家庭では、5本のスピーカーが同じとは限らず、また設置位置もうまくいっているか不安になるものだが、これでチェックできる。

 チャンネル・チェック2セクションは、よくあるピンクノイズ(「シャーという音」)での、各スピーカーのチェック。

 帯域バランスチェックセクションは、マルチチャンネルですごく参考になった。5本のスピーカーの再生レベルを、その残響の消え方でチェックできる。音像や残響が、どこかのスピーカーに偏って聞こえる場合は、再生レベルがそろっていない恐れがある、というわけである。
 このほかにもリファレンス信号セクション周波数スイープセクションなどのチェックメニューがある。  面白いところでは、2ch(SACDとCD)のみに収められたSACDとCDの音質、音色比較だろう。ハイハット・シンバルをDSD録音した、まったく同じマスタリングの音をSACD層とCD層の両方に入れてある(33秒間)。再生レイヤーを替えることで聴きくらべることができるわけだ。音の減衰するところが聞き所とか。

オーディオの健康診断、一度チェックしておくと安心かも

 こうして最後にデモンストレーション音源が入っている。モーツァルトのフルート協奏曲やショパンのピアノ曲、マーラー交響曲第2番その他、の断片で、それまでのチェックの成果を生かして聴く趣向ですね。
 で、これも2ch(SACDとCD)とマルチチャンネルでは、収録曲に若干のちがいがある。
 マルチチャンネルでは、曲によって5本のスピーカー+サブウーファーを使用するもの、5本のスピーカーだけのもの、センタースピーカーなしの4本のもの、はたまた懐かしの70年代4チャンネル音源を収録したもの、といたれりつくせり。こだわりを感じますね。

 全体的な感想は、テストディスクといいながら、「聴いていても楽しい」ということだ。特にマルチチャンネルでのチェンバロによるチェックトラックは、音が動いていくだけなのに、妙にウキウキする。
 とにかく一度チェックしておけば安心だ。オーディオの定期健康診断みたいなものか。何度も聴くディスクではないけど、持っていると心強いなと思った。

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2008.2.25