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奥田民生 LION


国内盤

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右上にでっかいSUPER AUDIO CDのマークが入っているのが、SACD盤の特徴。

一粒の音の中に世界を見る、奥田民生の境地

 奥田民生のソロ・アルバム『LION』は、CDのほかに、スーパーオーディオCDでもでている。さっそく聴いてみた。

 シンプルなロックアルバム。
 しかし、この人の音楽ほど、日本と離れて聴ける人はいないなあ。
 このあたり「歌詞に英語を混ぜてブラックぽくしているけど実は歌謡曲」という今のJ-POPとは一線を画(カク)する。
 歌詞は日本語のそれ。モロなんだけど、音の作り方や詞の並べ方が、ほとんどアート。洋楽を聴いているような落ち着きさえ感じます。

 演奏は、ギター、ドラム、ベース、他ちょこちょこっとシンプルなもの。音数も少ない。
 そのかわり、音、ボーカルが、絶妙なかたちで収まっている。聴いていて飽きない。
 「一粒の砂に、世界を見る」はイギリスの詩人ブレイクの詩だが、奥田民生の曲も「一粒の音の中に世界を見る」ようだ。玄人の力をぬいた上手さを、まざまざと見せつけてくれます。
 曲は12曲。あっけなく終わっていく。このアルバムの長さがいい。へんなボーナストラックもミックス・トラックもなし。才能のある人ほど、余計なことはしないんだよな、という見本であります。

 オーディオ的には、スーパーオーディオCDで、スネア・ドラムの「太鼓~!」っていう音を楽しむ。それから時にジミー・ペイジばりの、奥田民生のギターに酔う、というところですかね。ギターは曲によって音色も変えていて面白い。
 CDはどうかしらないが、スーパーオーディオCDだと、収まりきらないヘヴィー・サウンド、という感じでいいですよ(へんなたとえでスミマセン)。なお、これスーパーオーディオCD専用ディスクであります。

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2004.11.24