和太鼓集団、鬼太鼓座のSACD6枚組ボックスセット
鬼太鼓座(おんでこざ)は、1970年代に登場するや、いちやく話題になった和太鼓集団です。
本作はそんな鬼太鼓座 の6枚のアルバムをSACD化したボックスセットです。オリジナル・プロデューサー、録音当時のビクター・エンジニアも参加してSACD化されました。SACDシングルレイヤー、音匠仕様です。

2タイトルづつ、ひとつのハードカバー・デジパックに収められている。重厚なつくり。
『鬼太鼓座』(1976年)
『鬼太鼓座 New』(1989年)
『伝説』(1994年)
『富嶽百景』(1997年)
『怒涛万里』(1998年)
『響天動地』(2004年)
和太鼓はオーディオ的にも満足だったが、音楽としてもいい
さっそく、このなかから故長岡鉄男氏の賞賛した『富嶽百景』を聴いてみたのでレビューしてみます。
抑揚のきいた小太鼓の音は、オーディオ的にも小気味よい。
しかし大太鼓の「ドーン!」という音に腰を抜かします。 この大太鼓は凄い!
いつもは西洋音楽を聴いている我が家のスピーカーが、まるで違うスピーカーになった気がするほど。重低音という一言では言いつくせない音です。太鼓以外にも三味線、尺八と、直接的な音がどんどん飛び出してきます。
今までオリジナルを、オーディオ・マニアがリファレンスに使用していただけあって、怒濤の音が出てくるのでした。

ディスクはSACDシングルレイヤーで音匠仕様。左上が解説書で、各オリジナルCDの解説文が載っている。かなり詳しい内容。
オーディオ的に絶賛しましたが、実のところ音楽的にも面白いと思いました。
和太鼓集団ときくと「祭りだぁ、祭りだぁ」のイメージを想像する方が多いかと思いますが、鬼太鼓座の演奏は全然違います。
太鼓はストイックで、ひたすら「トトトト」または「ドーン、ドーン」です。 だから『富嶽百景』は、ひたすら原始的なリズム、エネルギーに溢れた音楽です。
スティーヴ・ライヒの打楽器だけによる『ドラミング』を好きな方は気に入るでしょう。太鼓だけでなく尺八や三味線も、現代音楽のように鋭くこちらの心に突き刺さります。
Amazon 鬼太鼓座 コレクション (ONDEKOZA Collection) 
 2013.9.10
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