アナログレコード REVIEW

ピンク・レディー/ベスト・ヒット・アルバム

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ピンク・レディー/ベスト・ヒット・アルバム (LP)

LP 33 1/3回転 180g重量盤

制作・発売:株式会社ステレオサウンド

制作・発売:ビクターエンタテインメント株式会社

発売日:2025年6月20日

ステレオサウンド・ストア

Tower Records

2025年8月2日

ステレオサウンド(Stereo Sound)が、1970年代のアイドル・デュオ、ピンク・レディーのベスト・アルバムを33回転LPレコードで、2025年6月20日に発売した。SACDラボでも聴いたので、ご報告しよう。

ピンク・レディ、絶頂期のベスト・アルバムが高音質LPで復刻

オリジナルは、ピンク・レディが絶頂期の1978年12月5日に発売された。それを今回ステレオサウンドが、オーディオファイルのために、こだわりのアナログ・レコードで復刻したのが本作である。LPレコードは33 1/3回転。180g重量盤はいつものように、手に取ると重い。

針を落とす。A面の1曲目が「カメレオン・アーミー」である。

デビューシングル「ペッパー警部」ではないことに、首を傾げる方がいるかもしれないが、発売当時のLP帯に《新曲「カメレオン・アーミー」収録!》と印刷されていたことからもわかるとおり、これは当時の新曲「カメレオン・アーミー」と同時に発売されたアルバムだ。1曲目が推しの「カメレオン・アーミー」で当然だろう(本作ではステレオサウンドのオリジナル帯になる)。

とはいえ収録曲は、それまでのピンク・レディの怒涛のヒットシングル10曲、加えてシングルB面曲を4曲の全14曲というベストにふさわしい構成である。


ガラード301、オルトフォンSPU♯1Eで聴いた

オリジナル・アナログ・マスターテープからカッティングまでアナログ

さてレコードの制作であるが、今回もステレオサウンドならではのマスタリング、カッティングである。

詳細はライナーや、ステレオサウンドのホームページに詳しいので、ここでは簡単に書く。

まず、ビクターエンタテインメントが所蔵していた、1978年当時の1/4インチ・オリジナル・アナログ・マスターテープを、PICCOLO AUDIO WORKSの松下真也氏が1/2インチ・カッティングマスターに移して、ラッカー盤のカッティング用のマスターを制作。

今日ではアナログ・レコードのカッティング用にデジタル音源が使われることが多いが、ヴィンテージ機材に造詣の深い松下真也氏らしく、1/2(ハーフ)インチ幅テープをカッティングマスターとして制作した。オリジナル・マスターの音を尊重し、基本的には過度な音の調整はしていない、とか。

では早速聴いてみよう。

演奏が手に取るように、聴き取れる

実際にレコードを聴いてみると、コンプとは無縁のような伸びやかな音が広がる。まさにアナログの花がパッと開いたような音場だ。

エッジも柔らかい。中高域には透明感があり、低域の締まりも申し分ない。

我々の世代なら、ほとんどの人がピンク・レディの曲を、おそらくテレビで耳にしているはずだが、高音質レコードと、それなりのオーディオシステムで聴いたピンク・レディの曲は、かつてのテレビの印象と違ってくる。

バンドの音、ストリングスセクション、ホーンセクション、曲によってはセンセサイザーやパーカッションなど、スタジオ・ミュージシャンたちが「これでもか」とばかり熱く、楽しんでいる演奏が伝わる。

各パートの細かい動き、合いの手のフレーズがぴたりとハマるところなど、楽譜が眼に浮かぶようだ。聴いていて実に楽しい。当時はテレビの歌番組で聴くだけだったので気づかなかったが、「バックが、こんな演奏だったとは」と音質だけでなく、演奏も再評価をしたい。

そこにミー(現:未唯mie)とケイ(現:増田惠子)のヴォーカル。一世を風靡した二人の歌声は、時に溶け合い、時にハーモニーとなる、その絶妙さが伝わる。阿久悠の歌詞もすらすらと頭に入ってきて情景が目に浮かぶようだ。「面白い歌詞だなあ」と今更ながら思う。

都倉俊一の作曲も絶妙で、歌詞の一節とメロディがピッタリと一致するところの妙味。完成度の高い歌謡ポップスを体感できると思う。

ピンク・レディーを高音質で聴く意義は大きい。これは復刻としては、初のLPによるものなのだそうだが、現代のオーディオシステムに相応しい音質で蘇らせた本作は、復刻盤を超えた価値があると思う。

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ピンク・レディー/ベスト・ヒット・アルバム (LP)

LP 33 1/3回転 180g重量盤

制作・発売:株式会社ステレオサウンド

制作・発売:ビクターエンタテインメント株式会社

発売日:2025年6月20日

ステレオサウンド・ストア

Tower Records

収録曲

SIDE-ONE
1. カメレオン・アーミー(1978年12月/10枚目のシングル)
2. サウスポー(1978年3月/7枚目のシングル)
3. S・O・S(1976年11月/2枚目のシングル)
4. 渚のシンドバッド(1977年6月発売/4枚目のシングル)
5. ウォンテッド(1977年9月/5枚目のシングル)
6. UFO(1977年12月/6枚目のシングル)
7. ペッパー警部(1976年8月/デビュー・シングル)

SIDE-TWO
1. 透明人間(1978年9月/9枚目のシングル)
2. モンスター(1978年6月/8枚目のシングル)
3. カルメン’77(1977年3月/3枚目のシングル)
4. スーパーモンキー孫悟空(透明人間のB面)
5. ドラゴン(カメレオン・アーミーのB面)
6. アクセサリー(サウスポーのB面)
7. キャッチ・リップ(モンスターのB面)

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