ブルーレイ
NHKエンタープライズ
Amazon ¥5,237
本編 77分
・チャイコフスキー/弦楽セレナード (1992年9月5日)
・ブラームス /交響曲第1番 (1992年9月5日)
・チャイコフスキー/弦楽セレナード第1楽章(2010年9月5日)
特典映像 101分
・モーツァルト/ディヴェルティメントニ長調 K.136 第2楽章 (1993年)
・ドキュメンタリー「小澤征爾リハーサル(1992年)」
・ドキュメンタリー「世界のマエストロ小澤征爾 入魂の一曲(2010年)
映像
1920×1080
音声(本編&映像特典)
Stereo リニアPCM(48kHz/16bit)
音声(2010年「弦楽セレナード」)
・Stereo/リニアPCM(96kHz/24bit)
・5.0chサラウンド/リニアPCM(96kHz/24bit)
・5.0chサラウンド/ドルビーデジタル
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1992年の演奏をメインにおさめたブルーレイ。2010年のあの演奏も
本作『1992』は、今年(2011年)、20周年を迎えるサイトウキネン・フェスティバルを記念して、この20年間の小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラの名演奏を集めた4タイトルのうちの1枚です。
フェスティバル第1回の演奏、チャイコフスキー「弦楽セレナード」、ブラームスの交響曲第1番を収録(オープニングのための委託作品、武満徹「セレモニアル」は別タイトルに収録)。
さらに2010年の、小澤征爾が腰痛のため第1楽章だけ振った「弦楽セレナード」第1楽章も収録。18年を経た両演奏を観くらべることもできます。
チャイコフスキーとブラームス
最初のフェスティバルの演奏ということもあって、小澤征爾もサイトウ・キネン・オーケストラも、緊迫感というか、「やるぞ」という気迫が伝わってきます。
小澤征爾は見るからに若い。棒も持っています。
棒を振り上げる瞬間の目は、獲物を見るような厳しさです(曲が終わった瞬間の、崩れた笑顔と対照的)。
サイトウ・キネン・オーケストラも、フェスティバル・オーケストラという一時的、それゆえ密接な関係での緊張感がわかります。
演奏中のメンバーの顔つきは、他の日本の常設オーケストラではとても感じられない存在感で、それがブルーレイでの見所です。
オーボエの宮本文昭、フルートの工藤重典は言うに及ばす、ひとりひとりに個性を感じて見入ってしまいます。
このような指揮者とオケですから、「弦楽セレナード」とブラームス:交響曲第1番という、ただでさえ感動メロディが、すばらしい緊迫感をもって聴けました。
ブルーレイの映像と音
映像は16:9(特典で一部4:3)のハイビジョン画質。昔の映像だからか、ちょっとハイライトがキツい映像ですが、繊細ではあります。
音は、CDより少しましな、リニアPCM48kHz/16bit。
サイトウ・キネン・オーケストラの弦の音はとてもやわらかく、「ほぼCD並みとは思えない音」と感じたのは、「48kHzでも有利なのか」とか「映像があるからかなあ」とか思ったりしましたが、とにかく不満なく聴けました。
2010年の「弦楽セレナード」、演奏と音質
2010年の指揮は、NHKでも放送されたので、その評判はご存知の方も多いはず。
先ほど見た1992年の演奏と比べると、小澤征爾は棒を持たず、手で振っています。
指揮は1992年と比べると、相当に柔らかい動き。余白があるというか、それでも音楽は進んでいく素晴らしさ。
92年は、オケを一身に背負って引っ張っていく感じでしたが、2000年代からは「奏者にまかせて、胸を広げている感じ」。名人芸というより、「指揮の境地」に達している感じです。
2010年「弦楽セレナード」の音声は、ステレオもサラウンドも「96kHz/24bit」で、さすがに1992年演奏の「48kHz/16bit」より高音質です。
「弦楽セレナード」は、オール弦楽だけに、倍音がたっぷりというか、何重にも「ふくよかさ」を重ねた繊細な音です。ハイレゾ音源の音の良さを堪能しました。
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小澤征爾&サイトウ・キネン・オーケストラ20周年記念ブルーレイ
小澤征爾のブルーレイ・レビュー
2011.7.1
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