Retrospective / レベッカ・ピジョン
Retrospective
レベッカ・ピジョン
発売日:2025年7月25日
Chesky Records
レベッカ・ピジョン『Retrospective』マルチチャンネル収録SACD試聴レポート
オーディオファンに根強い人気を誇るChesky Records(チェスキー・レコード)の名盤が、2025年に香港の「evolution」によって、オリジナル・マスターからSACDハイブリッド、およびアナログレコードで復刻されました。
今回は、その中からスコットランドのシンガーソングライター、レベッカ・ピジョン(Rebecca Pidgeon)の名盤『Retrospective』SACDハイブリッド盤の試聴レポートをお届けします。
彼女は1994年のアルバム『The Raven』 でチェスキー・レコードからデビュー。このアルバムはオーディオファイルから高い評価を受け、オーディオ視聴会で頻繁に使用されていました。
今回試聴した『Retrospective』は、2003年にリリースされたベスト・アルバムです。彼女がチェスキー・レコードに残した3枚のアルバム『The Raven』(1994年)、『The New York Girls' Club』(1996年)、『Four Marys』(1998年)から厳選された楽曲が収録されています。
マルチチャンネルが織りなす自然な3次元空間
『Retrospective』SACDハイブリッド盤の最大の魅力は、マルチチャンネル収録であることです。
チェスキー・レコードは「ライヴ ミュージシャンが本物の3次元空間で演奏しているような錯覚」を生み出すというコンセプトのもと、自然な音の録音を目指していました。
その音は、2chステレオで再生しても、奥行き感や、透明感、抜けの良さをはっきりと感じ取れます。我々オーディオファンにとって、2chでこのような音場が再生されるのは、至福の喜びです。しかしマルチチャンネル、つまりサラウンドで文字通り3次元的な広がりを味わうのもまた格別でした。
1曲目の「スパニッシュ・ハーレム(Spanish Harlem)」は、2chステレオのオーディオ・リファレンスとしても有名な曲です。
2chで感じられる広がり感が、マルチチャンネルでは、よりリアルに広がっているように感じられます。しかし、誇張された残響音ではありません。サラウンドと知らなければ、2chの延長だと錯覚してしまうほどの繊細なアンビエント音がリアスピーカーから出ています。試しにリア・スピーカーに耳を近づけると、高域から低域まで、しっかりと響きが感じられました。
マルチチャンネルで聴く音場は、まるで自分も演奏者と同じ空間にいるようです。暖炉のともる部屋で、親密なライヴを聴いているかのようなパーソナルな空間を想像させます。
レベッカ・ピジョンの透き通るようなヴォーカルは、リスナーの目の前にリアルに定位します。彼女の音楽は演奏者が少ないため、楽器一つひとつの音の粒立ちはサラウンドでも良く、定位も明瞭です。
ベスト盤だけあって、収録曲はどれも粒揃いです。オーディオ・リファレンスとして有名な「スパニッシュ・ハーレム」から始まり、ネオアコ風の「Underground」や「24 Hours of Love」、スコットランドを思わせる「Fhear a Bhata」、そして力強い「Primitive Man」などが並びます。
『The Raven』の1曲目を飾った名曲「Kalerka」や、朗読を伴う「Auld Lang Syne(蛍の光の原曲)」と、サム・クックの名曲「Bring It On Home to Me」を合わせた「Auld Lang Syne / Bring It On Home to Me」など、魅力的な楽曲が楽しめます。
2025年9月22日
トラックリスト
- Spanish Harlem
- Underground
- Texas Rangers
- 24 Hours of Love
- Fhear a Bhata
- Seven Hours
- Primitive Man
- Kalerka
- The Four Marys
- Grandmother
- MacDougall's Men
- Hey How My Johnnie Lad
- Auld Lang Syne / Bring It On Home to Me
Retrospective
レベッカ・ピジョン
発売日:2025年7月25日
Chesky Records
