ジャンル SACD
ポップス・スーパーオーディオCD(SACD) おすすめソフトレビュー

リッキー・リー・ジョーンズ
The Sermon on Exposition Boulevard [Limited Edition]

Rickie Lee Jones
The Sermon on Exposition Boulevard [Limited Edition]

輸入盤、New West Records

ハイブリッド盤SACD1枚+DVD1枚のスペシャル・エディション。デジパック仕様です。

DVDには、本作のレコーディング風景が収録されている。当然、日本語字幕はないが、ときたまでるインタビュー風なシーン以外は字幕がなくても十分楽しめる。日本とちがって、すごくラフなスタジオの内層を見るのも面白いでしょう。ちなみに、レコーディング風景を見たほうが、本作の音がより伝わるような気がしますね。
あと、DVDにはMP3による全曲のデータも入っている。「iPodでお楽しみください」というわけでしょうね。ご丁寧にどうも、である。

リッキー・リー・ジョーンズの新作がSACDで

 前作『Evening Of My Best Day』から約3年ぶりとなる、リッキー・リー・ジョーンズの新作が、SACD+DVDの〈リミテッド・エディション〉でリリースされました。これは35000枚限定なのでファンの方はお早めにどうぞ。ちなみにパッケージ裏にナンバーが打たれています。

 リッキー・リー・ジョーンズはそんなに詳しいほうではなく、僕は、歌の雰囲気がなぜかエイミー・マンとダブってしまうことが多いのですが、この作品はアコースティックギターを中心にした、リラックスしながらも、芯のある演奏でした。
 どの曲も音の空間を多くとり、完璧に仕上げるというよりも、絵にたとえると「デッサンを残してある仕上げ」という感じです。
 でも凛としたところは失われていないので、何度も聴くたびに味わいがでるスルメアルバムなのではないでしょうか。個人的には、ニール・ヤングがちょっと前に出した『グリーンデイル』みたいな感じもします(僕だけかもしれませんが)。
 そういえばどちらも鼻声だ。そう、ブルースやフォーク調など、いろいろな曲が収録されていますが、彼女の鼻にかかった声が、全編を通じてやはり最高に印象的ですね。それなりのお年齢になっていると思いますが、コケティッシュな歌声であります。

薄味のサラウンドはお好き?

 SACDマルチチャンネルで聴いてみました。
 サラウンドは、本作のスケッチ風曲調に合わせたのか、さらりとした「薄味のサラウンド」。ほとんどがフロントを中心で、響きだけが全体にひろがるサラウンドと思います。
 で、ときおり彼女のバックコーラスが、リアで「フワ〜」とかくし味程度に鳴りまして、これが独特の鼻声とあいまっていい味をだしています。シュールなたとえですが、「薄味の肉ジャガに飛び込んだようなサラウンド」で、作風には合っていると思いましたね。

2007.3.17

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