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ザ・ビートルズ
モノ・マスターズ(アナログ)


The Beatles
Mono Masters

Amazon [Analog]

輸入盤
2014年

ビートルズのアルバム未収録の
モノ・ヴァージョンをLPで聴く

 2014年に発売されたビートルズの『MONO LP BOX』(バラもあり)から『モノ・マスターズ』です。アナログLPなので、3枚組になります。

ベスト盤的なサイド1

 まずは「ラブ・ミー・ドゥ」、リンゴ・スターがドラムを叩いているアルバム未収録のシングル・ヴァージョン。
 昔から「ラブ・ミー・ドゥ」の音は、細く淋しいものに思っていましたが、ここでは他の曲と聴き劣りしない、頑丈な音になっておりました。

 これで第一関門は突破。続く第二関門は「シー・ラヴズ・ユー」でしょう。
 さすがにこの『モノ・マスターズ』でも、籠った感じ、ダンゴな音は覆されませんでしたが、それでもなんとかパワーは出た気がします。まあ「シー・ラブズ・ユー」はこの音質も含めての傑作と思っているので問題ありません。

 かくして2つの関門をクリアして、「アナログのモノラルは素晴らしい」という結論に早々となりました。こうなるとサイド1は、「大ヒット曲+B面佳曲集」となって、ベスト盤を聴いているような感覚です。

ロック色のつよいサイド2とサイド3

 サイド2は、ドイツ語の「抱きしめたい」「シー・ラヴズ・ユー」から。
 さすがにこれはガッツのある音を期待していないので、スルーして「アイ・コール・ユア・ネーム」でニッコリ。で「スロー・ダウン」「マッチ・ボックス」などロック色が濃くなります。もちろんステレオよりも聴きやすい。

 ベスト盤的でなくなったなと思っていたら、サイド3で再び中期ベスト盤的に。「デイ・トリッパー」や「ペーパーバック・ライター」はモノラルのほうが、ステレオであった不安定さがなくなる分、ファンキーなリフが曲と一体感をもつ感じがしました。あと「イエス・イット・イズ」が入っているのもうれしいところ。

世紀の名曲をモノラルで聴くサイド4

 サイド4は「レディー・マドンナ」「ジ・インナー・ライト」から「ヘイ・ジュード」「レボリューション」。ちょっと急ぎ足になります。
 これらの曲は、音の劇的な変化も、初期の曲のようにないので、正直ステレオでもかまわない気がしますが、発売当時はモノラルのEPで聴いていたという「追体験」ができる喜びを噛み締めたいと思います。

サイド5はイエロー・サブマリン・サイド

 サイド5は『イエロー・サブマリン』からの4曲を収録。

 長い間、ステレオ・ミックスがオリジナルで、モノラル盤はステレオ・マスターから製作されていたと思われていた『イエロー・サブマリン』の曲ですが、ここに収められた「オンリー・ア・ノーザン・ソング」は独自に完成されていたモノラル・ミックス。

「オール・トゥギャザー・ナウ」「ヘイ・ブルドッグ」「イッツ・オール・トゥ・マッチ」も、実現しなかった33回転EP盤のための、ステレオ・マスターから落とされたものではない、正規のモノラル・ミックスが収録されております(発出は2007年のCD『モノ・ボックス』)。

最後はゲット・ゲット・バック・セッションなど

 最後のサイド6は「ゲット・バック」や、鳥の羽ばたく「アクロス・ザ・ユニバース」など。そしておなじみ?「ユー・ノウ・マイ・ネーム」で幕を閉じます。
 このあたりも、ステレオ・ヴァージョンと比べて、どっちもどっちでありますが、やはり太い一本の音は魅力的。
 そしてモノラルで聴くという事実を噛み締めましょう(レビューになっていませんね)。

 それにしても重量盤LPは厚く、重い。この重さは今までのビートルズのLPはなかったものであります。

B00KZ73WCG
Beatles in Mono -Ltd- [Analog]

2015.1.31