ジャンル SACD
ポップス・スーパーオーディオCD(SACD) おすすめソフトレビュー

クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル ザ・コンサート

CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL
THE CONCERT
Hybrid
輸入盤、FANTASY

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角の丸いプラケース

CCR絶頂期の1970年1月のライヴ

 クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(以下CCR)こそは、60年代末期から70年代始めにかけての、アメリカンロックの代表でしょう。サンフランシスコのバンドですが、カントリー、R&B、南部風サウンドまでを含んだ土臭いサウンドが魅力です。
 とくにジョン・フォガティのリードヴォーカルには「日本人もイチコロ」でした。日米関係なく、この人のヴォーカルにシビレない者はいないと思います。
 CCRは短い活動期間に、7枚ものオリジナルアルバムを制作したのは驚きですが、シングルヒットが多いのも驚異的です。
 こんなに土臭く、ブルースぽいバンドなのに、ヒット曲のかもしだす雰囲気はなぜかポップ。当時はカーペンターズな並みのヒットメイカーでした。マニアックでありながら親しみやすい、という希有のバンドだと思います。
 本作はそんな彼らの70年のライウ演奏。解散後1980年にリリースされたもののSACD化です。ライヴ盤は他に『ライヴ・イン・ヨーロッパ』もありますが、3人編成のバンド末期のライヴ。こちらはオリジナル4人編成、文字通り絶頂期の演奏です。バンドの厚みがちがいます。

SACDの音としてはイマイチだが、はずすには惜しい1枚

 最初の「ボーン・オン・ザ・バイヨー」がはじまるや、
「くうー、しびれるぜ! 60年代カルチャーだぜ!」
 と、どっぷり浸かります。
 しかし本作は、SACDにしては音が良いほうではありません。
 もともとのライヴ音源に限界があります。音の分離はイマイチで、全体にモコモコ気味です。バンド音は広がりの薄いステレオ感。歓声はモノラルではないでしょうか。
 それでも本作を取り上げたのは、これ1枚でCCRのベストに近い選曲が聴けること。そしてなにより、彼らのライヴ演奏が好きなのです。あのヒット曲がスタジオ録音よりワイルドに迫ってきます。。
 SACDの音に小言を言いましたが、ちょっと待ってください。
 全体でぐぁーっとくるサウンドは、楽器音の“濁り”を含んだ分厚さがあり、ライヴ感に浸れます(これ、けっこうイケます)。ドラムやベースなどは『ライヴ・イン・ヨーロッパ』よりずっと良く聴きとれ、迫力もまさっています。ですからこのSACDは無視するには、もったいないのです。

ハイファイがご希望なら、オリジナル盤SACDがオススメ

 なおCCRは、オリジナルアルバム全部がAnalogue ProductionsからSACD化されています。
 こちらはご安心ください。「どれだけでも搾り出せそうなアナログ汁」「SACD独特の空気感」が最高で、SACDの音の良さがわかります。
 ハイファイがご希望ならオリジナル盤は文句なしです。また彼らが単にヒットメイカーではなかったことも、オリジナルアルバムを聴くとよくわかります。

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CCRのオリジナルアルバムSACD(Analogue Producutions)
Creedence Clearwater Revival
1968年発表。「スージーQ」収録。
Bayou Country
1969年発表のセカンド。「プラウド・メアリー」収録。
Green River
1969年発表。「グリーン・リバー」収録。
Willy & The Poor Boys
1969年発表。「ダウン・オン・ザ・コーナー」収録。
Cosmo's Factory
1970(69?)年発表。「トラベリン・バンド」収録。
Pendulum
1970年発表。「雨を見たかい?」収録。
Mardi Gras
3人体制の1972年発表。出来は落ちるので買うならこれを一番後回しに。「スィート・ヒッチハイカー」収録。
Absolute Originals
オリジナルアルバム7枚組のSACDボックスセット。『THE CONCERT』は入っていません。
2008.2.7
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