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ロジャー・ウォーターズ  AMUSED TO DEATH


Roger Waters
Amused To Death

Amazon

Hybrid
輸入盤
収録音源
2ch 24bit/96kHz
5.1ch 24bit/96kHz

ブックレットには歌詞。

 

“状況に放り込まれる”ようなサラウンド

 1992年に発表された元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズのソロ作品『Amused to Death』(邦題「死滅遊戯」)のBlu-ray Audioです。
 音は2015年に、ピンク・フロイドのエンジニアだった、ジェームズ・ガスリーがオリジナル・マスター・テープから2chとサラウンドを再ミックス。プログレ・ファン、高音質ファンには2015年最大の話題作となりました。

 聴いてみると、とにかくサラウンドが凄いです。
 虫の音から始まる冒頭は、庭先の犬の吠える声から、まるでスディーヴン・キングのホラー小説のように不気味です。
 やがてあらわれるジェフ・ベックのギターは天井から響きわたるように聞えます。で、一転してスタジアムで大観衆が歌う「What God Want」に。

 テレビのチャンネルがかわるごとに曲が変わっていく構成は、2chだとよくできた映画どまりですが、サラウンドだと臨場感が半端ありません。「音楽を聴いている」というより、「状況に放り込まれる」感覚に近いです。

 ピンク・フロイド『狂気』のサラウンドも、ここまでのプログレ感は感じなかったと思います。SE音の多い『Amused to Death』ならではのサラウンドと言えましょう。

 SACDラボの好みは部屋を真っ暗にして、サラウンドに囲まれること。中間であらわれる「Late Home Tonights」の南国風な部分を別にすれば、全体的には暗い色調ですが、見事な音楽と音響に囲まれて苦になりません。評判のジェフ・ベックのギターも実のところ、サラウンドの音響に一歩席を譲ると思えるくらい。

 それにしても本作を聴くと、つくづくピンク・フロイドはロジャー・ウォーターズが核であったのだなあと思ってしまいます。
 こうなると、最初のソロ作品『The Pros And Cons Of Hitch Hiking(邦題「ヒッチハイクの賛否両論」)や、『RADIO K.A.O.S.』もサラウンド化してほしいものです。

B00UA1NBJ6
Amused to Death

 
2015.10.15