ロキシー・ミュージックの音に溺れよう
1983年発売。ロキシー・ミュージックの代表作にしてラストアルバム。また、リーダーのブライアン・フェリーの好みが「完成した」アルバムとも言えましょう。
SACDをセットしてプレイボタンを押すと、ジャケット写真の雰囲気そのままの、麗しく妖艶な音楽が繰り広げられます。
ロックというには、スローでなまめかしい独特の音楽ですね。1曲目「More than this」から、このアルバムはカッコいいです。
マルチチャンネルはオリジナルと同じく、Bob Clearmountainによるミックスです。
「かつてから持っていた『アヴァロン』のサウンドイメージを、このマルチチャンネルで提示できた」と書いています。
サウンドスケープに包まれるマルチチャンネル
音楽でありながら、音の景色(サウンドスケープ)とも言える『アヴァロン』ですので、このマルチチャンネルは大変すばらしい仕上がりです。
サラウンド・ミックスはオリジナル・マスターテープから制作。ただ「India」だけがステレオ・ミックスしか残されていなかった。
それでどうしたかというと、「India」のステレオ音を、そのまま、ゆっくりと360度移動させていく演出になっています。音楽がゆったりと部屋を2周するのです。うまいこと考えたもんだ。「India」の間奏曲風なイメージと、古代的なリズムがこれにピッタリ合う。
ラスト「Tara」では、波音に包まれながら天上から静かにふりそそぐサックスで終わる。
いいです。ポップスのマルチチャンネルとしてはピンク・フロイドの『狂気』にならぶ良さでしょう。オススメです。
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HMV
TOWER RECORDS
 
2005.11.8
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