STEELY DAN
GAUCHO

輸入盤、MCA
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角の丸いプラケース。
ブックレットは1枚を6つに折り畳んだもの。
ライナーと英語歌詞を掲載。写真はなし。
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スティーリー・ダンの完璧な演奏とアレンジ
スティーリー・ダンの代表作『ガウチョ』のSACDです。ハイブリッド仕様。
前作『彩(エイジャ)』の完成度も高かったですが、『ガウチョ』も負けず劣らず傑作アルバム。『ガウチョ』の制作にはかなりの困難が襲ったそうですが出来上がった作品は完璧。個人的には『ガウチョ』の方が好きです。
スティーリー・ダンは「完璧な演奏」と「完璧なアレンジ」が特徴です。実際、ここまで「禁欲的でありながらゴージャス」なロック/ポップスは他にありません。
冒頭「バビロン・シスターズ」が始まるや、めちゃカッコいいソリッドな演奏。バック・ビートに引き込まれることでしょう。その上にのるドナルド・フェイゲンのラフなヴォーカル。
いいわあ。『ガウチョ』は全編、隙なしの音楽であります。音のない空間でさえ、アレンジのひとつに感じる。
「タイム・アウト・オブ・マインド」の客演マーク・ノップラーのギター・プレイでさえ、ソロというにはおとなしく、完璧なアレンジの中に吸収されております。
ビシッと囲むサラウンド
『ガウチョ』は1980年発売。LP時代から音のいいレコードとして評判でした(81年グラミー賞最優秀録音賞)。
このレコードがタイトな音、というのはLP時代から持っていた印象でしたが、SACDで聴くと、LP時代の印象よりまろやかで太いように思います。タイトな演奏に厚みが増しているような感じがしました。
マルチチャンネルは全方位からのサラウンド。
空間を柔らかく拡大するサラウンドというよりも、楽器、バックボーカルを四方に配置して、ビシっと囲むサラウンドです。スティーリー・ダンの音楽そのままのサラウンドでしょう。
ブラスセクション、バックボーカルなど、後方に割当られた音が多いです。リアスピーカーはなるべくフロントスピーカーに近いクオリティを選びたいところ。
全体的にタイトなサラウンドながら、タイトル曲「ガウチョ」のサビ部分、後ろからの広がり感は格別で、このSACDマルチチャンネルの一番美しいところと思います。
音楽のクオリティは裏切らないのはもちろん、もともとが高音質な本作品。SACDでのマストアイテムの一つだと思います。
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スティーリー・ダン関係の名作(SACDではありません)
 2009.11.23
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