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ジェームス・テイラー
Dad Loves His Work


Dad Loves His Work
James Taylor
Hybrid Stereo
輸入盤、Mobile Fidelity
紙ジャケット

Amazon

見開きの紙ジャケット仕様。


ブックレットには歌詞。
SACDは不織布に入れられている。
それを挟む紙(手前)があるのは、Mobile FidelityのアナログLP時代の名残か。

暖炉のそばで聴くような、暖かい音楽と音

 ジェームス・テイラーの『Dad Loves His Work』は、1979年の『Flag』に続く1981年の作品。
 ジャケット写真はタイトルに合わせてか、溶接工のような姿。
 ジャケット裏はモロ工場で作業中の写真ということで、騒々しいアルバムかと想像するかもしれませんが、本作の音楽はまったく逆で、「暖かさに満ちたアルバム」です。

 1曲目の「Hord Time」から、甘く暖かいジェーム・テイラーの歌声。それを支えるバッキングの演奏も暖かい。
 さらに2曲目「Her town too」。J.D.サウザーをバック・ヴォーカルに迎えて、メロウな歌声。これまたウットリ……。

 ミディアム・テンポの曲もありますが、全体はまるで「暖炉のそばで聴いているような暖かさ」に満ちたアルバムです。

 とにかくジェームス・テイラーのヴォーカルが、優しさに溢れているのです。これは盟友キャロル・キングの、フレンドリーなヴォーカルに通じるものがあります(「I Will Forrow」などキャロル・キングが歌ってもしっくりくる曲)。

 バンドのサウンドも、シンガー・ソングライターとしてデビューしたジェームス・テイラーですが、81年の本作ともなると、AOR風のサウンドに移っております。それも非常に聴きやすいです。

SACDの音

 SACDの音は、やわらかくエッジのとれた音。
 それでいて各楽器は綺麗に溶け合っていて、ふっくらしている。
 この音もまた「暖炉のそばで聴いているような」暖かい音と言えましょう。AOR風の演奏も全然タイトにはならず、まろやかです。
 なによりジェームス・テイラーの暖かみのあるヴォーカルが、このSACDの音にピッタリ。

 このアルバムの暖かみに触れたくて(1曲目「Hold Time」の出だしも心地よく)、『Dad Loves His Work』は本当によく聴いてしまうSACDです。
 ラストはアカペラが見事な「That Lonesome Road」で静かに幕を閉じます。

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ジェームス・テイラーのSACD
B005M4K7XE Flag
ジェームス・テイラーの1979年作品。
B004SGYIVE Jt
ジェイムス・テイラーが77年に発表したコロンビア移籍第一弾。一段と洗練された歌と詩、かつファンキーなバッキングで新たなJT像を作り出した傑作。
2012.4.23