Tschaikowsky:
Symphonie NR.5
Jewgenij Mrawinskij
Leningrader Philharmonic
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録音 1960年。ウィーン、ムジークフィエラインザール。
国内盤、ハピネット
収録曲
チャイコフスキー:
交響曲第5番
収録音源(ステレオ)
リニアPCM (96kHz/24bit)
リニアPCM (192kHz/24bit)
パッケージ
Blu-rayの透明ケースにブックレット。
ブックレットにはライナー「三大交響曲の録音と、英国に於けるレニングラード・フィルハーモニーの批評から」、あと解説曲目のライナー。
映像はなし。
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じっくりとコーヒーをいれたような、
ムラヴィンスキーの“興奮曲”
ムラヴィンスキーが1960年、グラモフォンに録音したチャイコフスキーの三大交響曲は、いずれもクラシックの名盤と言われています。そのなかの交響曲第5番がBlu-ray Audioで発売になったので、さっそく聴いてみました。
チャイコフスキーの交響曲第5番は、血湧き肉躍る“興奮曲”でありましょう。第4楽章クライマックスの陶酔がたまりません。
ムラヴィンスキーの指揮ですが、さすがに“興奮曲”第5番ともなると、チャイコフスキーの作曲自体がスゴイものですから、第6番〈悲愴〉で「ムラヴィンスキーは他の指揮者と違う!」と思わせた強烈なパッションは、影をひそめたようにも感じましたが、実はちがいました。
聴き込んでいくうちに、やっぱりこの第5番も強烈なパッションに彩られております。
特に第4楽章の盛り上がる演奏が素晴らしい。
でもムラヴィンスキーは、単純な“興奮曲”になってもいいところも、それだけでは終わりません。例えるなら、じっくりといれたコーヒーのような味わいを感じさせて盛り上がっていくわけです。
第6番〈悲愴〉の演奏と同じく、フレーズ毎に「他の指揮者と違う!」とあらためて実感しました。やはりこれも名盤でした。
ゴリッとした風味は残しつつ柔らかいBlu-ray Audioの音
1960年の録音ですから、現代の録音のように、シルキーで溶け合う音ではなく、楽器に近い距離で、輪郭のハッキリした鳴り方です。
こういう録音はタクワンをかんだときのように、ゴリッとした切れ味が魅力で、オーディオ的にはとても快感です。
でもBlu-ray Audioでは、タクワンはタクワンでも、とても柔らかい輪郭の音なっております。ほどよい硬さのタクワン。ソフトというか、ふくよかな肌触りを感じる音に思いました。
ゴリっとした風味は残しつつ、柔らかく豊かな音なので、オーディオ・ファンとしては非常に気持ちがいい。
「こんなに音が、柔らかかったっけ」と、自分がいつも聴いているアナログ・レコードよりもマイルドに感じたので、これからはBlu-ray Audioで聴くことになりそうです。
本作を含む4タイトルがハビネットよりBlu-ray Audioで発売された。
ハビネットから発売になったユニバーサルBlu-ray Audio
2014.10.23
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