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パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
ベートーヴェン:序曲集


Beetoven : Overtures
Paavo jarvi
The Deutche Kammerphilharmonie Bremen

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録音2010年、2012年

「プロメテウスの創造物」序曲作品43
「コリオラン」序曲作品62
歌劇「フィデリオ」序曲作品72c
「レオノーレ」序曲第3番作品72b
「エグモント」序曲作品84
「献堂式」序曲作品124

トータル51分44秒

交響曲の成功を序曲でも

 本作はベートーヴェンの交響曲で、斬新な演奏を披露したパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンによるベートーヴェンの序曲集です。
 交響曲での成功をかって、序曲でも「やってやろう」というコンセプトでしょうが、あいにくベートーヴェンの序曲って、それほど熱心に聴くほうでもありません。
 ですので、あまり期待していなかったのですが、SACDを聴いてみると、とても良かったので、レビューに取り上げた次第です。

序曲が真珠のように輝きだす、きびきびした演奏

 ここでヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンが、ベートーヴェンの交響曲を、どんな風に演奏をしていたかおさらいすると、一言で言って「きびきびした演奏」ということになります。モダン楽器の弾力性はそのままに、古楽器奏法を取り入れたような贅肉のない演奏。

 これがそのまま『序曲集』でも、おこなわれております。
 最初の「プロメテウスの創造物」序曲は、モーツァルトを聴くときのようなウキウキ感がありました。
 名作の誉れ高い「コリオラン」序曲は、ベートーヴェンの“小交響曲”のような「緊張感のカタマリ」となって聴くことができました。
 やはり交響曲の成功は本物で、このコンビで聴くと、少々印象の薄かったベートーヴェンの序曲が、真珠のように輝いてくるような気がしたものです。
 序曲というものは案外、てきぱきとやってくれたほうが心地良くリスニングできるかもしれません。それはともかく、いずれは、このコンビで、モーツァルトやベートーヴェンのオペラを聴いてみたいと思いました。

SACDマルチチャンネル

 SACDマルチチャンネルで聴きました。
 サラウンドは、ホールトーンの残響はあまり感じません。それよりも前方のオーケストラが豊かに響くようなサラウンドです。いつの頃からか、クラシックでは、こういう前方の奥行き感を出すようなサラウンドが増えたようです。

 DSDレコーディングですので2chでも、よい音を楽しめることと思います。
 でもサラウンドでは、たとえ中堅クラスのオーディオでも、ハイエンド2chのフロント感に迫るか、それ以上の臨場感を放出しているような気がします。
 もちろん、ハイエンドでも入門クラスでもサラウンドは素晴らしいかと思いますが。

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2014.2.11