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S
冨田勲
惑星(プラネッツ) Ultimate Edition

ディスク
ISAO TOMITA
PLANETS
ULTIMATE EDITION

(4ch)
DENON

Amazon 

普通のプラケースにブックレット。ブックレットには、冨田勲のライナー「このアルバムを糸川英夫氏に捧ぐ」、松山晋也氏の解説。

機材リスト Equipment List
Roland JUPITER-60
Roland GAIA SH-01
Roland VP-7
Roland VP-770
Roland SD-50
NUENDO

名作『惑星』のリメイク版がSACDで

 本作は、冨田勲が70年代に発表した『惑星』を、最新デジタル機材も使用し、リプロダクションした『惑星』です。
 冒頭は、オルゴールによる「木星」のメロディで始まります。
 そしてロケットの発射音(サラウンドの迫力!)に続いて、いよいよホルストの『惑星』が始まるという演出。曲間には、宇宙船内のような雰囲気も漂わせます。

 リメイク版の特徴として、「イトカワとはやぶさ」という小品(3分24秒)を、あらたに「木星」のあとに挿入。哀愁のある旋律に、冨田勲の作曲家としての才能も感じてしまいました。この曲が、後半への橋渡しをします。

 最後の「天王星・海王星」のあとは、再びオルゴールの音があらわれ、蓋が閉じられます。
 このように本作は、たんに「『惑星』をシンセサイザーで演奏した」で終わらない、ひとつの冨田作品として構成されています。

かつては音に驚き、いまは「場」に驚くサラウンド

 オリジナルLPが当時の4チャンネル〈CD-4〉でリリースされたことからもわかるとおり、本作はサラウンドを前提にした作品です。

 冨田勲が、演奏はもとより、2ch&サラウンドのレコーディング、ミキシングまで自身でおこなっただけあって、明快で力強いサラウンドを聴くことができます。ときに浮遊感さえ感じるほど。

 宇宙空間のような広がりのある音から、指向性のある音までバラエティ。「水星」のように、キラキラと動き回る音もあります。
 LP発売時は、シンセサイザーの音色に驚いたリスナーも、SACDマルチチャンネルでは、「その場にいるような空間」に驚くことでしょう。

 冨田氏は自身の音楽を「実況中継的音楽」と言うことがあります。
 確かに、その場にほうりこまれたような空間は、他のサラウンド・ソフトとは一線を画す気がします。
 サラウンド入門者にもピッタリ。本作は、「宇宙空間と同じように」前後左右を均等にするため、センタースピーカーなしの4chサラウンドです。

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冨田勲のSACD
PLANETS ZERO ~Freedommunesession with Dawn Chorus 
太陽からの音「ドーンコーラス」を加えて、イベントのために作られた『惑星』の別バージョン。
SACDラボレビュー
B004RRVAEC 源氏物語幻想交響絵巻・完全版
「京ことば」による語りと、管弦楽・邦楽器・シンセサイザーが誘う、千年の時空を超えた悠久の雅の世界。
SACDラボレビュー
2011.12.10