
MIDORI
FRENCH VIOLIN SONATAS

録音2001年5月 マサチューセッツ Mechanics Hall
Amazon(国内盤)
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(国内盤)は普通のプラケースにブックレット。ポール・マイヤーズのライナーの日本語訳。
収録曲
・プーランク:
ヴァイオリン・ソナタ
・ドビュッシー:
ヴァイオリン・ソナタ ト単調
・サン=サーンス:
ヴァイオリン・ソナタ第1番二短調
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五嶋みどりの弾く、プーランク、ドビュッシー、サン=サーンス
本作は五嶋みどりが、フランス近代のヴァイオリン・ソナタを弾いたアルバム。DSDレコーディングで、SACD専用ディスクです。
このSACDには、3つの感動がありました。
1 SACDの音が、やわらかくて良い。
2 サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタが良い。
3 五嶋みどりの演奏が良い。
SACD2chの音は、やわらくて良い
SACDは2chステレオ。
やわらかく、ふくよかな音が現れます。
五嶋みどりのヴァイオリンは、繊細であると同時に、ヴァイオリン特有の摩擦のある音。一方、ロバート・マクドナルドの弾くピアノは、豊かな広がり。
ヴァイオリンの音量と、ピアノの広がりの対比は、音色だけでなく、「音の体積」の対比まで感じられた気がします。
五嶋みどりとマクドナルドの演奏の息がぴったりあっているだけに、室内楽を聴く醍醐味が味わえました。
素晴らしい、サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ第1番
アルバムはプーランク、そしてドビュッシーと、時代をさかのぼっていきます。
プーランクのヴァイオリン・ソナタは、1942年〜43年作曲で、第二次大戦中の作品。パリっ子らしい部分もあります。続く、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタは、言わずもがなの響き。
で、このあとサン=サーンス。正直、注目しない作曲家でした。
でも、このヴァイオリン・ソナタ第1番(1885年作曲)が、すごく良いのです!
第1部の導入とアダージョはもちろんですが、なにより第2部。最後のヴァイオリンの凄まじい弾きぶり(ほとんどパガニーニ!)と、ピアノの掛け合いがエキサイティング。
ライナーノートはこの部分を、「すべての室内楽の中で、とりわけ喜びに満ちた幸福な瞬間のひとつ」と書いているのですが、まさしく聴く者を興奮させる曲でした。
サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ第1番。個人的には、室内楽曲として、もっと人気の出ていい作品だと思いました。
五嶋みどりの「むき出し」の凄さを感じるSACD
サン=サーンスのヴァイオリン・ソナタ第1番の興奮は、五嶋みどりの演奏によるところも大きいと思います。
ここでは協奏曲で聴くより、もっと「むき出し」の凄さを感じてしまいました。
もちろん、先のプーランクとドビュッシーでも、五嶋みどりは、ぜんぜんニュアンスの違う演奏で、聴く者を離しません。
このSACDは、五嶋みどりの才能を強烈に印象づけるアルバムでした。
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五嶋みどりのSACD
 2011.10.6
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