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マレイ・ペライア
ショパン:12の練習曲 作品10、作品25

ディスク
MURRAY PERAHIA
CHOPIN ETUDES
OPUS10 / OPUS25

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SACDシングルレイヤー
2001年6、Lyndhurst Hall、Air Studios、ロンドン
国内盤、ソニー・クラシカル

普通のプラケースにブックレット。ブックレットにはティム・ペイジのライナー(日本語訳:渡辺正)。

収録曲
・ショパン:12の練習曲 作品10
・ショパン:12の練習曲 作品25

ペライアのピアノの音は美しいです

 本作はマレイ・ペライアの2001年録音。ショパンの「12の練習曲 作品10」「12の練習曲 作品25」です。
 ペライアといえば、1970年代後半に録音したモーツァルトのピアノ協奏曲の大ファンでした。「真珠のように美しいピアノの音」。それが、モーツァルトの天上の旋律を奏でるのですからたまりません。もちろんSACDをレビューしました。

 そんなペライアですが、1990年代に身体の不調から音楽活動を一時離れたものの、復帰後はバッハの演奏で、今日までめざましい活躍を続けております。
 それは素晴らしくて、ペライアの弾くバッハのSACDもレビューを載せたのですが、あの70年代の“真珠のように美しいピアノの音”がなんとなく影を潜めた気がしないでもありませんでした。バッハですので、音色は変るとと思いますが…。

美しいピアノ音、でも“男性的な骨格”のショパン

 そんな折、この2001年録音のショパンを聴いて感激しました。あの“真珠のような美しいピアノの音”が帰ってきたような気がしました。それもショパンの12の練習曲に、ぴったりと融合しているようです。

 作品10の第1番から、流れるようなアルペジオにうっとり。
 ショパンらしいピアニズムを“真珠のような美しいピアノの音”で聴く“極楽”です。
 その一方で第3番「別れの曲」のようなシットリとした曲も、ロマン派風でないアッサリさが、かえって旋律を引き立てます。

 結局、マレイ・ペライアの演奏が素晴らしいのは、“真珠のような美しいピアノの音”でありながら、音楽が“男性的な骨格”で形作られているところでしょう。両者の混在が、今までにないショパンを聴く興奮をもたらしたのです。

 SACDは2chを収録でDSDレコーディング。
 豊かなピアノ音が、前面から広がります。ペライアのピアノの音色と相まって、とてもふくよかな再生音がでます。

B000091L8D
マレイ・ペライア/ショパン:練習曲作品10&25

マレイ・ペライアのSACDレビュー
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、第27番/マレイ・ペライア
ひと粒ひと粒が、真珠のように美しいペライアのピアノ
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バッハ:ピアノ協奏曲第3,5,6,7番/マレイ・ペライア
バッハの歌心に迫るのかな。ペライアのピアノ
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2014.2.4