
録音、1964年ニューヨーク
国内盤
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普通のプラケースに二つ折りのブックレット。解説は4つ折の紙で、オリジナルライナーの日本語訳と岡村氏の2004年のライナーノート。オノ・セイゲン氏のDSDマスタリングについての文章を掲載。
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首筋にあたるような太いベース音
オスカー・ピーターソンの『プリーズ・リクエスト』は、ヴァーブでの最後の録音。オースカー・ピーターソンの代表作として愛されているだけでなく、ジャズ史の中でも名盤です。そして音の良いレコードとして、オーディオマニアに人気のレコードでした。
このSACDはオノ・セイゲン氏によるDSDリマスタリングです。
冒頭の「コルコヴァード」から、厚みのある音に満足します。左手にドラムス、そのやや右にピアノ。右手にベースが位置します。
なんといってもベースの音に驚かされるでしょう。大げさに言えば、こちらの首がへし折れるかと思うくらいの、厚みのある重い音が、耳だけでは入りきれず、首筋まであたってくるのですから。
ベースにくらべれば、ピアノとドラムの音はおとなしい方ですが、それでも、これらの厚みのある音は大好きです。
名曲をさらりと、しかしジャズピアノの醍醐味は切り出してみせる
本作は、当時大ブームだったボサノバの「コルコヴァード」から始まり、「酒とバラの日々」「イパネマの娘」等々、有名曲をつぎつぎと演奏していきます。まるでジャケット写真のように、お客からリクエストをもらって、つぎつぎと有名曲を演奏しているかのような設定ですね。
曲はどれも短めで、ピーターソンの長いアドリブを期待するむきには、物足りないですが、さらりと決めてしまう中にも、ざっくりとジャズピアノの醍醐味を切り出してくれております。
これはその名人芸を楽しむアルバムなんでしょうね。そして、我々も聴き込めば聴き込むほど、その中で遊べるリスナーになれるような気がします。
それにしても最後の「グッドバイJ.D.」。ピーターソンのピアノが爆発していますねえ。
オスカー・ピーターソンのSACD
 2009.8.8
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