笠井紀美子とギル・エヴァンスの共演
ソニー・ミュージックから〈昭和ジャズRegendシリーズ〉の第2弾の5タイトルが発売された。
なかでも懐かしいのが、この『サテン・ドール』。当時、中学生か高校生だったのだが、笠井紀美子とギル・エヴァンスがならんで写るこのジャケットは、マイルスやモンクらと一緒に、CBS・ソニーのカタログでよく見かけたものだっけ。
しかしジャズを聴くほど耳が肥えておらず、それだけに、大人びて見えたジャケットだった……。
なので、今回のSACD、紙ジャケでの復刻、ありがたく聴かせていただきます。
聴いてみると、ギル・エヴァンスのアレンジがやはり光っていますね。
ギル・エヴァンスのアレンジは、独特の幽玄な趣があります。マイルスとの『マイルス・ア・ヘッド』や『スケッチズ・オブ・スペイン』で感じたサウンドと同じものが、ここでも感じられます。
もちろん、それをバックに歌う笠井久美子のヴォーカルも良いと思いました。バンド演奏も日本人が多いのですが、それも良く、ちょと洋盤のような気がしました。
うーん、いい音だなあ、と。4チャンネル音源も収録
SACDの音はすごく良いと思う。とくに音量を上げて聴いてみると、そう感じる。暖かくて厚みのある音が、大変伸びやかです。
あと、このアルバムにはマルチチャンネルも収録されている。言うまでもなく、当時のSQ4チャンネルの音源だ。
マルチチャンネル(4ch)では、ホーン・セクションが、リアスピーカーに配置される。当時らしい、ベタなサラウンドだ。
でもサラウンド感は良く出ているので、70年代サラウンドのひとつとして聴いてみると楽しいと思う。
いつも書くことだが、1枚に、SACDステレオ、マルチチャンネルと入っていて(さらにCD層も)、選択でいろいろ聴けるのがうれしい。当時の4チャンネル音源は、今聴くと良いものが多く、個人的に大歓迎である。完全生産限定盤です。
2007.7.21
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