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キング・クリムゾン
クリムゾン・キングの宮殿(デビュー40周年記念ディスク DVD+CD)


KING CRIMSON
IN THE COURT OF THE CRIMSON KING

DVD+CD 2枚組
輸入盤と国内盤

Amazon
Amazon(国内盤、紙ジャケット仕様)

紙ケースに2枚折デジパック。CDはジャケットのおじさん、DVDにはアナログ内ジャケットのおじさんのピクチャーディスク。

DVD(オーディオ)
・MLPロスレス5.1サラウンド48kHZ/24bit
・MLPロスレス2.0ステレオ 96kHz/24bit
・DTS5.1デジタルサラウンド 48kHz/24bit
・LPCM 2.0ステレオ 48kHz/24bit

ロスレス・サラウンド、ロスレス・ステレオを再生するにはユニバーサルプレーヤーが必要です。普通のDVDプレーヤーではDTSサラウンドとLPCMの再生が可能。

ボーナストラック
ロスレス・ステレオとLPCMステレオには2004年版リマスターバージョンも収録。さらにいろいろな曲のインストヴァーション、初出ミックス等盛りだくさん。

ビデオ
69年ハイドパークでのライヴ。白黒で客席からのプライベートフィルムのよう。短いのでビデオは期待しないでください。

ブックレット
ロバート・フリップの簡単なライナーを見開きで掲載。今回の2009年リミックスのことも少々言っている。あとSId Smithのライナー。当時の白黒写真が少々。

名作『クリムゾン・キングの宮殿』が2009年版ミックスで登場

 『クリムゾン・キングの宮殿』は1969年作品。プログレシッブ・ロックの原点的作品です。
 一度見たら二度と忘れられないジャケットに負けず劣らず、音楽も一度聴いたら二度と忘れられません。60年代ロックが最後に産み落としたすごいアルバムです。これが70年代のプログレッシブ・ロックの芽となりました。
 そんな『クリムゾン・キングの宮殿』が、デビュー40周年としてDVDオーディオ+CDでリリースされました。それもオリジナル・マルチトラック・テープからロバート・フィリップとスティーブン・ウィルソンによって再ミックスされた2009年版ミックス。ステレオと5.1chサラウンドが製作されました。

CDからロスレス・ステレオ、とスゴくなる宮殿

 まずはCDを聴いてみます。これもDVDオーディオと同じ2009年版ミックスです。とても奇麗で透明感のある音になりびっくりです。
 DVDオーディオのロスレス・ステレオ(96Khz/24bit)では、もっといい音になります。「21世紀のスキッゾイド・マン」冒頭の汽車の汽笛のような音が鳴った瞬間から「こりぁ、CDと違う」と感じました。
 音に厚みがあるというか、「濃さ」が違います。CDが薄味のコーヒーに思えてしまうほど。
 「21世紀のスキッゾイド・マン」「クリムゾン・キングの宮殿」のような曲は、音が厚く重なっていているので倍音も豊富そう。ロスレス・ステレオだと「実のある音」として迫ってきます。このアルバムの幽玄さを表現していると思います。
 マイケル・ジャイルズの怒濤のドラミングも、ロスレス・ステレオでは迫ってくる度合いがぜんぜん違います。あと高音の輝きや低音のしまり具合もいいですね。

3次元に建つ宮殿は、前から見ていた心象風景

 基本、キング・クリムゾンは、ステレオもサラウンドもどちらもアリだと思います。
 しかしこのアルバムに限っては、サラウンドのほうを取らせてください。ロスレス・5.1chサラウンド(48kHz/24bit)で鳴りわたる「宮殿」は高音質に加え、3次元で鳴ることでさらに鮮烈になると思うからです。
 「21世紀のスキッゾイド・マン」のヒステリックなリズム攻めは、四方からの圧迫感のあるサラウンドですごみがある。(てゆうか、これで「らしいな」と思ってしまう)。
 ラストの「クリムゾン・キングの宮殿」もサラウンドで大きく広がる。この曲は沢山の音が入っているので、スペースにゆとりができた分、各音がよく聴こえる。さきのマイケル・ジャイルズのドラムなどは、他の楽器のかぶりがない分、相対的に実態感が増します。一打一打が頭に響く感じ。この雷鳴ドラムはたまりません。
 逆に静かな曲「エピタフ」や「ムーン・チャイルド」などは、サラウンドで空間にポツンと存在する感じがしていい。「ムーン・チャイルド」後半などは、フロントのギター&パーカッションと、リアのヴィヴラフォンが一直線にならんだ配列。荒涼とした感じを出しています。

 と書いても、『クリムゾン・キングの宮殿』のサラウンドは、逆説的に言えば「ぜんぜん驚かないサラウンド」だと思います。今まで2chステレオでイメージしてきた心象風景そのままだからです。
 サラウンドでその心象風景も、現実のものとなり身体が包まれます。この音を2次元に入れてしまってはやはり窮屈でしょう。『クリムゾン・キングの宮殿』のサラウンドは、“音の建造物”として、ぜひとも訪れてほしい場所です。

2009.11.11

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こちらは 「宮殿」「リザード」「レッド」(各DVD+CD)3作品のボックスセット国内盤。
  In the Court of the Crimson King: Limited Box Set Edition/+Dvda
輸入盤による「宮殿」「リザード」「レッド」(各DVD+CD)3作品のボックスセット。