
Derek and the Dominos
Layla and Other Assorted Love Songs

輸入盤
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角の丸いプラケース。ブックレットは簡単な折の単純なもの。曲のクレジットがあるだけ。アナログLPの見開き部分の写真もそのまま掲載。
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クラプトンの代表作にして、ロックの名盤
デレク&ザ・ドミノスの名作『いとしのレイラ』もSACDになっています。エリック・クラプトンを語る上では、かかすことのできないアルバム。そして一度聴いたら誰もが忘れられない、永遠の名曲「いとしのレイラ」を収録。オリジナルアナログ盤では2枚組でしたが、SACDでは1枚です。
タイトル曲「いとしのレイラ」があまりにも有名なので、本アルバムを、「レイラ」だけに頼ったアルバムと思いがちですが、「いとしのレイラ」以外にもいい曲が、たくさん収録されています。もしポップなアレンジをしたらトップテンに入りそうなメロディアスな曲が多い。
だから本アルバムは「いとしのレイラ」が始まるまでの12曲を、辛抱強く聴く必要はありません。冒頭の「Looked Away」から虜になるのです。
クラプトンとオールマンのギター
虜になるのは、まずその演奏。メロディアスといいながら、演奏はシンプル。ギターのほかはオルガンやピアノがサポートするだけ。アーシーな肌触りは、大変心地よいです。
そして、ほとんどの曲で唸るエリック・クラプトンのギターは、やはりすごい。クリーム時代は別とすれば、ソロアルバムよりも、本作のほうが壮絶だと思います。とくに「Have you ever loved a woman」のようなブルース演奏ではクラプトンの独壇場。
このアルバムをさらに、魅力的にしているのが、ギターのデュアン・オールマンの参加です。クラプトンとオールマンの競演は、時に“ギターバトル”と形容されるものですが、筆者には“盟友のサポート”ような演奏に思います。左チャンネルで小気味よくソロを繰り広げるオールマンの演奏も耳が離せません。
アナログライクな音に、広がるマルチ
このSACDはマルチチャンネル収録です。
「このブルージーなアルバムにマルチチャンネルは必要か? 2chでガツンと聴かんかい!」
と、聴く前は違和感を拭えませんでしたが、聴いてみると結構いいです。
マルチチャンネルといっても、音の配置はステレオミックスと同じ。楽器音をリアに配置する箇所は一回もありません。ひたすら2chの音場を広げるタイプのマルチチャンネルです。
残響は背後までまわっているだろうから、前方のバンドの音は広がる。スピーカーから解き放たれたように、目の前にあらわれます。本作はこういうサラウンドが一番でしょう。
それでも最後から2曲目「いとしのレイラ(Layla)」ではサイドに広がる度合いが増すようです。それは有名なピアノの導入部では、さらに広がるよう。やはりサラウンドにいるのだなあ、と思いました。
どの曲もすばらしいが、やっぱり「レイラ」でカタルシスを味わうのが本作の醍醐味。このSACDの音は、大変アナログライクな音を出してくれます(ドラムスなど)。
そしてラストは弾き語りで「庭の木(Thorn tree in the garden)」。これでアルバムをしめくくります。
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 2009.4.1
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