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インガー・マリエ
Feels Like Home

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レーベル:Master Music (Hong Kong)、SACD Hybrid 2ch

オリジナル色の濃い、ヴォーカル・アルバム

香港のMaster MusicレーベルのSACDハイブリッドを聴いてみました。ノルウェー出身のシンガー、インガー・マリエ(Inger Marie)の『Feels Like Home』です。

『Feels Like Home』はインガー・マリエの7年ぶりの新作。今回、初めて聴いてみましたが、しっとりとしたヴォーカルが予想以上に良かったです。同じ、ジャズ系のヴォーカルとしてはダイアナ・クラールが浮かびますが、ダイアナ・クラールほどネットリしてこなく、耳離れのいい癒し系なところが聴きやすく思いました。

本作に収録されるのは、ゆったりと時間が流れるような曲です。ハスキーでアンニョイなヴォーカルで歌っていきます。

ブックレットには曲のクレジットが載っていないので分かりにくいですが、手元にある資料からランディー・ニューマンによる「Feels Like Home」から始まり、オーティス・レディングの「(Sittin' on) Dock Of The Bay」、バリー・マニローの「When October Goes」などを取り上げております。さらにSACDハイブリッド盤では、ボーナス・トラックとして、グレン・キャンベルの「Wichita Lineman」も収録。

ちょっと変わったところでは、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「Long As I Can See The Light(光ある限り)」、アバの「When All Is Said And Done」なども取り上げていて変化球の効いた選曲です。これらも、ゆったりとしたテンポなので、元のアーティストから離れて、インガー・マリエのオリジナル曲のような趣でした。

インガー・マリエは大まかに言って“ジャズ・ヴォーカル”のジャンルになると思いますが、これらのカバー曲は、「いかにもジャズ、ジャズ」とした演奏でないところが気に入りました。

ジャズというよりも、どちらかと言えば、しっとりとしたポップスに片足を移動したような演奏。さらに曲ごとにアレンジのニュアンスが違います。そこも曲がインガー・マリエのオリジナルのように聞こえる理由かもしれません。カバー・アルバムというより、オリジナル・アルバム色の強い作品と思いました。

そんなわけで、トータル50分ほどあるのですが、個人的には聴き飽きることなく、すぐに時間が経つアルバムです。音楽が重荷にならず、ゆったりと過ごせるアルバムとして、何度でも聴けるSACDではないかと思います。

音質はSACDらしく充実した音かと思います。試しにCD層の音を聴いてみると、CD層の方はクリアながらもやはりソリッドで薄い音に聞こえますので、そこでもSACD層の音の充実度を感じました。

インガー・マリエ / フィールズ・ライク・ホーム 【SACDハイブリッド】
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