これを避けて通れるか?〈クラシック・マニア殺し〉の1枚
“ジャジャジャ、ジャーン♪”
冒頭から、まるでちがう演奏。
カルロス・クライバーの棒にかかると、耳タコの「運命」が別物に生まれ変わる。
交響曲第7番も同じ。クライバーってすごなあ!
…なあんてことは、アナログ時代から、皆が思っていたのだが、それがスーパーオーディオCD(SACD/CDハイブリッド盤)で聴けるのだ。
ドイツ・グラモフォン、SACD発売に、まずクライバーをリリースするなんて「オヌシもワルよのう」。
何人のクラシック・マニアが、このディスクでSACDプレーヤーに踏みきったか?
しかし、クライバーじゃ逆らえない。
「いいですとも、喜んで殺されてあげよう」。
筆者もユニバーサル・プレーヤー購入と同時に、このディスクを買ったのです。新品の輸入盤で2570円だったか。
スーパーオーディオCDでえー、アナログは売る
SACDは最新のDSD録音ほど素晴らしいが、旧録音も、もちろんいい。
オーディオ的に気に入ったのは、交響曲第7番の第2楽章だ。SACDの特徴である空間のヌケを堪能できる。
フォルテッシモよりピアノ、絵でいえば余白が多い空間ほど、旧録音はSACDの良さがでるように思う。
わしゃー、これで満足。
もっていたアナログ・レコードは売ってしまいました。
しかし、やはりベートーヴェンはええのう。
特に交響曲第7番。
最初は、抽象的でつかみどころがない交響曲、と思ってしまうが、聴きこむとハマる。ベートーヴェン晩年の〈深遠さ〉の片りんも伺える。
クライバーの演奏が今のところ一番好きかな。
筆者はアンプをたっぷり暖めてから、このディスクをかけるようにしております。そうすると、また音がいいんだわ。
Amazon
2004.4.25
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