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ビル・エヴァンス・トリオ ワルツ・フォー・デビー

BILL EVANS TRIO
WALTZ FOR DEBBY

輸入盤、Analogue Prodaction

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ガーシュインの"I Loves You, Porgy"など、ボーナストラックが4曲付く。ボーナストラックは、アルバムのオリジナルを考えるといらないと思うが、これだけいい未発表ナンバーならSACDで聴けてうれしいとも思うし…微妙。

名盤のSACD。やっぱり最初はこれか。

『ワルツ・フォー・デビー』は友人に録音してもらったカセットから始まり、アナログ・レコード、CDと聴くメディアも変化してきたが、とうとうSACDの時代になった。
 1961年、ニューヨーク、ビレッジ・ヴァンガードでのライヴ。演奏中のグラスの音、観客の笑い声などライヴ感をかもしだす。オシャレであります。ジャズ入門にいいディスクです。
 SACDの音には〈アナログ回帰〉も含まれている。“ジャズをアナログで聴かない後ろめたさ”も、SACDなら感じなくていいのです。

こだわりのマスタリング

 このSACDは、Fantasyから音源を借りてAnalogue Prodactionが制作したものである。ブックレットを読むと、英語で自慢げに書いてある。訳してみよう。

“『ワルツ・フォー・デビー』のオリジナルは真空管だけの機材で録音されたもんだわ。だもんで、オレらも、デジタルに変換するまでは、真空管の機材でマスタリングしたんだわ。すげーだろ。
 SACD層には最新のDSDコンバーターを使い、CD層にも(わざわざ)PCMのコンバーターを用意して使ったぜ。これが両方にベストなやり方だぜ。すげーだろ。”

スコット・ラファロのベースがブルンブルンうなる

 音はいいです。
 なんといっても、スコット・ラファロのベース! 太い音で、ブルンブルンうなる。
 ビル・エバンス・トリオは「ピアノとベースのインタープレイ」と言われてきた。でも正直、スコット・ラファロのベースは「動きはすごくても、音量でピアノに負けてるナー。ぜんぜん対等じゃないじゃん、評論家め!」と思っていた。
 しかし、このSACDでは、ベースがバリバリ前にでてくる。革新的ベーシストに恥じないプレイだ。
 ときには、ピアノにかぶさるくらいの迫力で、デカすぎるくらい。「ベースで管楽器のようなインプロヴィゼーション」と評されるスコット・ラファロが、このSACDでは存分にやってくれています。
 ジャズ入門盤、へたすると、イージー・リスニングに入れられそうな本ディスクも、SACDでは“熱いジャズ”であります。

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ビル・エヴァンスのSACD
Sunday at the Village Vanguard
ヴィレッジ・バンガードでのライヴ
SA-CDラボレビュー
Portrait in Jazz
スコット・ラファロ生前のトリオでのスタジオ録音。
SACDラボレビュー
Explorations
これもリバーサイド時代の名作、61年のスタジオ録音
SACDラボレビュー
Moon Beams
スコット・ラファロ死後のトリオでの録音
モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス
オノ・セイゲンのリマスターによる国内盤
SACDラボレビュー

2004.4.10