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Jon Aderson
Olias of Sunhillow
Amazon

輸入盤 Audio Fidelity
ブックレットはアナログの見開きのとおり(と思います。LPは持ってないので)。
ディスクの文字レイアウトがAmazonのものと違う。Amazonの画像は発売前の販売用合成だと思われる。
Limited Edition。箱の裏にシリアルナンバー入り。
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やはり「イエスの魂を宿す人」、スリルが消失してもプログレ度は満点
本作はイエスのヴォーカリスト、ジョン・アンダーソンが1976年に発表した初ソロ作品のSACD化です。
内容はSFファンタジー風のコンセプト・アルバムで、サンヒローというところに住む、オリアスという人物の話。
本作の作詞作曲はジョン・アンダーソン。演奏もジョン・アンダーソンひとりのクレジットになっております。
ヴォーカルは問題ないとしても、他のメンバー、イエスの技巧集団がいなくて、どうやって音作りをしていくのか心配でしたが、ギターやシンセサイザー、パーカッションを駆使して、いい音楽を作り出しています。
たしかに参加の噂のあるヴァンゲリスらしいところは随所にみられますが、やはりこの人は「イエスの魂を宿す人」でした。
イエスというバンドの“スリル”は消失したものの、変わりに、ヴォーカルの多重録音、トラディッショナル・フォーク風ギターなどを駆使して、プログレ度満点の作品に仕上っています。
数曲、アンダーソンはポップなナンバーを歌い上げますが、そんなナンバーを聴くと、この人の本質は、イエスとも、そして80年代の変則イエス?とも、実は変らないのだなと思いました。
ただアンビエント系の音が支配的ゆえ、もしサラウンドなら「生まれ変わるアルバム」必至なのですが、残念ながら2chのみです。

最初ブックレットはプラケースの下に入っている。ブックレットはアナログの見開きのとおり(と思います。LPは持ってないので未確認)。
Audio Fidelityの音の特色が、だんだん分かってきた気がします
マスタリングは、ケヴィン・グレイ。多数のSACDを制作しているマスタリング・エンジニアです。
音は「高音質をひけらかす」というよりも、「自然な仕上がりに、あえて収めた」感じの響きです。
アナログの風味があるのは言うまでもないのですが、まるで、オーディオ用語でいうところの「ダンゴ状態」が心地よくあるかのように、無色で自然な響きに思いました。
なんとなくAudio FidelityのSACDの音作りの特徴が、イエスの『危機』『究極』、アメリカの『アメリカ』、そして本作を聴いてきて分かってきたような気がします。
共通しているのは、先に書いたように「自然な仕上がりに、あえて収めた」感じ。で、要所要所で、「おっ、ギターの音、いい音。おっ、空気感あるじゃん」と思わせる部分があると。
『危機』を聴いたときは、初めてのAudio FidelityのSACDゆえ、そこが分からず、ちょっと物足りないなと思ったものですが、こうして何枚か聴いてみると、Audio FidelityのSACDの音は、派手さはないものの、じっくりと聴ける、ずっと付き合える音に思えました。
それらがまた70年代の名盤なのですから、いい仕事をしているなと思います。

ジョン・アンダーソン/Olias of Sunhillow
Audio FidelityのSACDレビュー
 2014.2.28
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