絶頂期のエルトンなら2枚組もなんのその
『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード』は2枚組レコードとして完成度の高いアルバムだ。
「ビートルズやストーンズでもできなかったを、エルトン・ジョンはやりやがった!」と発売当時、大層評判になった。
もっともビートルズの「ホワイト・アルバム」やストーンズの『メインストリートのならず者』は、その未完成さゆえに永遠の生命力を持っていると思う。
この2枚がディオニソス的なら、本アルバムはアポロ的だ。オープニングの「葬送〜血まみれの恋はおしまい」から、エンディングの「ハーモニー」まで、テンションを保ち続け、駄作なしに、いろいろなタイプの曲を聴かせきってしまう。この頃のエルトンの想像力はホントすごかった。
2枚組復活はうれしいが
SACDではオリジナルどおり2枚組。
最近のCDでは1枚組になっていたので、2枚組で復活は歓迎したい。「ホワイト・アルバム」ほどではないが、本アルバムもレコード面で色合いがちがうのだ。筆者には、レコード2枚目「スウィート・ペインテッド・レイディー」から聴くのが、楽しみであった。
人生の黄昏に、マルチチャンネルで今一度
若いころよく聴いたアナログ。レコードに針を落とせば、曲に心を奪われ、迫力のある演奏と録音。でも、意外と「音が割れてるかな」と思った所もあった。
SACDでは、その疑いも晴れ、どこまでもクリーン。超キレイな針で、超キレイなレコードを再生してる感じです。もうナガオカのクリーナーもいらないぞ、ということです。
本ディスクはマルチチャンネルこそ最高です。最初の「葬送」の風の音が、部屋中に拡がったときから、「おー、マルチ、ぴったりじゃん!」と確信できました。ぜひ聴いてみてちょ。じゃあねー。グッバイ、家のブリッコ、ロード。
Amazon
2004.5.4
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