ビートルズ No.5!(オデオン赤盤)
〈未CD化〉の日本だけの編集盤
これは去年暮れ、新宿の中古レコード屋で買った。東芝音楽工業時代の国内盤。購入価格は3500円くらい。なんとアップルレーベルではなく、オデオンレーベル、それも赤盤である。これで3500円なら誰も文句ないだろう。
ジャケットもキレイだし、中のインナー、紙袋もみんなついている。お買い得ではなかろうか。
中古店ではこのアルバムのタグに〈未CD化!〉などと書いてあることがあるけれども、あくまで編集盤なので、そこまで言うことはないだろう、とは思うのです。ジャケットは好きですけどね。
ドイツ語ができるなんて、ビートルズすげえ!
このレコードも中学生のとき、友人から借りてよく聴いたものだが、なんといっても楽しみはドイツ語で歌う「抱きしめたい」と「シー・ラヴズ・ユー」だろう。このレコードのウリといってもいい。
当時初期ビートルズのレコードが「なんちゃってステレオ」(と僕は呼ぶ)になっていても、この『ビートルズNo.5』はモノーラルのままだった(だから他より定価も安い1700円)。それでも存在感があった。
ドイツ語の2曲があるおかげで、このレコードのアイデンティティは保たれていたわけだ。
それにしても、「ビートルズってイギリス人なのに、ドイツ語で歌えるなんてすごい!」と思いませんでしたか? ハンブルグ巡業があったとはいえ、よく歌えるものだなあ、とレコードを聴くたびに感心していた。
このアルバムにはビートルズがインテリに見える、そんな付加価値もあったのです。
それでも「ジス・ボーイ」とか「のっぽのサリー」とか、いい曲も多い。一枚のアルバムとして聴くと、あの頃より、今の方が「いいアルバムだなあ」と感慨も深いです。買ってよかったNo.5、だね。